聞き上手な人は相手の話に積極的に興味を示しながら、適切な質問を投げかけて話を引き出せる人です。
「あなたももっと上手くコミュニケーションが取れるようになりたい」と思ったことはありませんか?この記事では聞き上手になるために必要は心がけやテクニックも説明しています。
話し上手な人とは「聞く」のが上手な人
話し上手な人とはたくさん話す人ではなく「聞き上手な人」です。 ただし、聞き上手と言っても受動的に人の話を聞いているのではなく積極的に相手の話に興味を持って聞いていて、相手の話に対して適切な質問をしたり、相手に気づきを与えるような質問が出来るのが特徴です。
そうした人は周りから「聞き上手(=会話が上手)」という印象を持たれ人から信頼されやすくなり、仕事を任されやすくなったり友人からも好感を持たれやすくなります。
聞き上手な人の5つの特徴
一緒に話をしていて「何でも話してしまう人」はあなたの周りにもいると思いますが、そうした「聞き上手」な人にはいくつかの共通点があります。 ここでは聞き上手と言われる人に見られる典型的な特徴を5つご紹介します。ここにあげる特徴が見られる人がいたら聞き上手な人の可能性が高いのでコミュニケーションをとる時にどんなことを心が得ているかを聞いてみるのも良いかもしれません。
自分が話すよりも相手の話を聞いている時間の方が長い
聞き上手な人の特徴として最も典型的なのは「自分が話すよりも相手の話を聞いている時間の方が長い」ということです。 聞き上手な人は自分がたくさん話すよりも相手の話を聞くことに徹しており、会話している時間の7〜8割程度は相手の話を聞いています。
「話し上手は聞き上手」と言われますが、話していて心地良い人は自分の話をするよりも相手に話してもらう能力が高いのです。 聞き上手な人はただ相手の話を聞くだけではなく頭の中ではしっかりと話の内容を追っています。そして相手の話の曖昧な部分や相手の勘定の動きが分かる部分については積極的に質問して話を広げることが出来るのが聞き上手な人です。
相手の話をうなずきながら聞く
聞き上手な人はただ相手の話を聞くだけではなく、相手に自分が話をしっかり聞いていることを理解してもらえるように分かりやすくうなずきながら聞いてくれます。 聞き上手な人は頭の中で相手の話をただ理解するだけではなく、「私なあなたの話に興味があり、その内容もしっかり理解しながら聞いています」ということが相手に伝わるように、しっかりと相手の目を見てうなずきながら話を聞いてくれます。
そのため、話し手も聞き上手な人に対しては自分の話をちゃんと聞いていて理解を示してくれているということが分かりやすく伝わります。そうなると心理的に心をひらくようになるため他の人には話さないようなことも聞き上手な人にだけは話すようになります。
相手の話を最後まで聞く
聞き上手な人は相手の話に割って入ろうとせずに最後まで聞こうとします。 聞き上手な人は相手が話している途中で自分が言いたいことがあったとしても、むやみに話に割って入ろうとせずに、相手の話を最後まで聞いてしての話の真意を汲み取ってから発言するようにしています。
聞き上手な人は相手が話している途中で自分が話し始めてしまえば相手の意図と自分の意図が食い違ってしまい、会話が成り立たなくなってしまうことを避けるためです。
求められるまでアドバイスはしない
聞き上手な人は相手に求められるまでは自分からアドバイスをしようとはしません。 聞き上手な人は相手の話を聞いていて、自分の経験上「絶対こうした方が良い」と思ったり「自分の専門的な知識から考えたらこれで解決出来る」と思うことがあっても、求められなければアドバイスとして伝えることはあまりありません。
人は求めていないのにされたアドバイスについてはそこまで興味を示しませんが、たくさん話していく中で見えた疑問に対してアドバイスを貰えた場合は、納得感が強くなります。聞き上手な人はこれを意識しているため自分からどんどんアドバイスをするようなことはあまりしません。
相手の意見を否定しない
聞き上手な人は相手の意見を否定しません。 聞き上手な人は相手の意見を否定してしまうと相手の真意や、「どうしてそう考えるようになったのか?」という考えの根底にある価値観などが見えなくなると思っています。
また、相手を否定することで心を閉ざされてしまえば話の正しい意味も理解出来なくなり、聞き上手に離れません。 そのため、聞き上手な人は明らかに間違っていることがあったとしても、頭ごなしに否定せずに一度受け入れて相手の意図を理解した上で「こういう考え方もあるのではないか?」という形で相手に気づきを与えるような形で意見を述べます。
聞き上手な人がモテるのはなぜ?
聞き上手な人はモテますが、これは「人は元来話したがりである」ということが原因です。 人は本来自分の意見や身の回りに会った出来事について人と共有したいと考えています。自分の意見や思っていることを周りにいる人と共有して共通認識や共通の価値観を作りたいと深層心理で考えていますが、聞き上手な人はこれをよく理解しています。
そのため自分の話をして共感してくれたり理解を示してくれる人がいると喜びや安心感を覚えます。聞き上手な人はその心理を理解しているため、相手の話を徹底的に聞くことで相手に居心地の良さを感じさせることが出来るためモテるのです。
聞き上手は「仕事が出来そう」という印象を持たれる
聞き上手な人は「仕事が出来そう」という印象も持たれます。 聞き上手な人はどんな時でも積極的に自分の意見を主張するタイプではありませんが、周りにいる人が何を考えていて、何がしたいのかを察したり聞き出す能力が高く、「円滑なコミュンケーションがとれる人」という印象を持たれます。
こうした人は対人感応力を高く評価され、聞き上手な人は仕事の質も高いだろうという印象をもたれやすいので「仕事が出来る人」という印象を持たれるようになります。
あなたは聞き上手?診断してみよう
聞き上手な人は「自分から話をせず」「相手に分かりやすいように理解を示す」などの特徴があることをご紹介しましたが、ここであなた自身が「聞き上手」な人かどうかを診断してみましょう。 10項目を用意していますが、6つ以上「はい」という回答があれば聞き上手と言えます。聞き上手という診断が出なかった方は次の章からご紹介する心構えやテクニックを使うことで 聞き上手に近づくことが出来ます。
- 自分が話す時間よりも聞く時間の方が長い
- 話の内容が曖昧な部分や気になる部分は質問出来る
- 話を聞いている時は大きくうなづく
- 人の話を聞くのが好き
- 人の話を否定することはあまりない
- 相手の話を最後まで聞こうとする
- 人から相談を受けることがよくある
- 異性からもよく話しかけられる
- 求められるまでは自分の意見を主張することは少ない
- 相手の表情を見て話を聞くか自分が話すべきかを判断出来る。
聞き上手になるために大切な心構え
聞き上手は生まれ持った性格で聞き上手になっている人もいますが、心がけることで誰でもなれます。 ここでは聞き上手な人が人とコミュニケーションをとる時にいつも意識している5つの心がけをご紹介します。 今よりももっと聞き上手になって円滑なコミュニケーションが取れるようになりたいと思う方はまずはここに書かれることを意識してみることから始めてみましょう。
5w1hを意識して聞く
聞き上手になるための1つ目の心がけは「5w1hを意識して聞く」ことです。 聞き上手になるためにはただ漫然と相手の話を聞くのではなく、相手の話を整理して理解しながら聞く必要があります。5w1hは人の話を整理する時に非常に役に立ち、話の内容をより深く理解するためには常に意識すべきことです。 5w1hを意識出来ると相手の話を聞いていて自分の中でハッキリと理解出来ていないことが具体的になるので、それを明確にするための質問も自然と出てきます。相手に質問が出来れば「話に興味を持ってくれている」という印象づけも出来るので聞き上手になるためには必須です。
相手の感情を聞き出す
聞き上手になるための2つ目の心がけは「相手の感情を聞き出す」ということです。 人は基本的に自分が思ったこと・感じたことを表現したいと思っています。そのため話している内容について相手が「どう思ったか・感じたか」を聞いてあげることで自分を表現する機会が増えて、話し手も楽しく会話が出来、聞き上手に近づくことが出来ます。 時には自分の感情表現をしたがらない人もいるので聞き上手になるためには、相手の傾向も会話の中でどちらのタイプかを判断する必要があります。相手の感情を聞き出すことは相手のキャラクターをより正確に理解することにつながるのでより高いレベルの聞き上手になるためには意識してみましょう。
相手の話に対して純粋な興味を持つ
聞き上手になる3つ目の心がけは「相手の話に対して純粋な興味を持つ」ことです。 コミュニケーションに関する様々なテクニックを学んでも、そもそも相手の話に興味を持てなければそうした意識が相手に伝わってしまいます。
聞き上手になるためには表情・態度・目線などからも「興味を持ってくれている」と感じられるようにする必要があります。 そのためテクニックは使いつつも純粋に相手に興味をもつように心がけて見ましょう。本来であればこれだけ意識していれば「相手のことをもっと知りたい」と思うようになりテクニックに頼らなくても聞き上手になることは出来るようになります。
否定せずにまずは受け入れる
聞き上手になるための4つ目の心がけは「否定せずにまずは受け入れる」ことです。 純粋な興味を持って相手の話をいていても、時には「本当にそうかな?」「それは間違っているな」と感じることもあります。ただ、聞き上手になるためにはそう思った瞬間にすぐに相手のことを否定するのではなく、「なぜそう思ったのか・考えたのか?」が明確に理解出来るまでは否定しないようにしましょう。
そうすることで相手には「自分の意見を受け入れてくれている」という印象を持ってもらえるようになります。また聞き手側も自分にはなかった新しい考え方を知ることが出来て視野を広げることが出来るようになり、さらに聞き上手に近づきます。
答えを出そうとしない
聞き上手になるための5つ目の心がけは「答えを出そうとしない」ということです。 人の話を聞いているとどうしても答えを出してしまいたくなることもありますが、底をぐっとこらえて聞き役に徹しましょう。聞き上手になるためにはまずは相手の意図を正しくすることです。
聞き手が答えを出してしまうと話し手は「話足りない」と思ったり「本当はこう考えていたのに」と会話の後に心残りが出来てしまいます。聞き上手になるためには答えを出したくなったら相手が自分で答えを出せるように質問を通して導いてあげましょう。
相手のことを好きになる
聞き上手になるための6つ目の心がけは「相手のことを好きになる」ことです。 男性でも女性でも好きな相手に対しては、好きなこと・趣味・興味関心・家族構成・学生の頃にハマった音楽などいろんな事を知りたくなります。聞き上手になるためにこの感情を使ってみましょう。
相手のことを純粋に好きになってみることで自然と興味が湧き、「なんでそう思ったんだろう?」と相手に対する質問が尽きなくなり、自然と聞き上手のスキルや心がけが出来るようになります。
聞き上手になるための具体的なテクニック
聞き上手になるためには心がけも大切ですが、それを実現するための方法(テクニック)があればその意識をより確実に形に出来ます。 ここでは聞き上手を演出するための7つの方法をご紹介します。「聞き上手になるために大切な心構え」が整ったらこちらのテクニックも身に着けていきましょう。
わかりやすくうなずく
聞き上手になる1つ目のテクニックは「わかりやすくうなずく」ことです。 どんなに相手の話の内容を正しく理解していたとしても、相手がそれを感じ取ってくれなければ「話しづらい人」と思われてしまいます。
聞き上手と感じてもらうためには相手の目を見て話を聞き、理解出来たことについては分かりやすくうなづいてみましょう。 うなづくことは話を理解していることや共感しているという意図を示すことに繋がります。自分の話を理解してくれたり共感してくれる人には、「この人は聞き上手だな」と感じてもっとたくさん話しをしてくれるようになります。
オウム返しをする
聞き上手になる2つ目のテクニックは「オウム返し」ことです。 「オウム返し」とは相手の発言の中で気になることや、話の中の重要なキーワードを利き手側から繰り返すということです。これも聞き上手にとって大切な「あなたの話を聞いています」ということを表現することに繋がります。
その他にも眉をひそめながらオウム返しすれば「もっと詳しく聞きたい」という意思表示になりますし、明るい表情でオウム返しすれば相手の話に共感していることも表現できて、自分の話に対して表情豊かに反応してくれる人に聞き上手だという印象を持ってくれるようになります。
いろんな相づちのバリエーションを作る
聞き上手になる3つ目のテクニックは「いろんな相づちのバリエーションを作る」ことです。 どんなに相手の話を興味を持ってきいていても、ずっと同じ相づちやうなづき方をしていると聞き上手どころか、「話半分で聞いているな」という印象を持たれてしまいます。
また人は同じ行動を繰り返されるとそれが気になってしまいますが、相手も一辺倒な相づちに気を取られてしまいます。 そうなると相手は自分の話に集中出来ず相手の態度に気が向いてしまい、不快感を感じながら話すことになってしまいます。聞き上手になるためにはこうした感情を抱かせないためにも相手の話の内容や、声のトーンなどに応じてうなづき方を変えるようにしましょう。
相手の話に割って入らない
聞き上手になる4つ目のテクニックは「相手の話に割って入らない」ことです。 自分が話している時に割って入ってくる人に対しては誰でもイラッとしてしまいます。聞き上手は話し手に気持ちよく話をして貰える人なのでイラッとされてしまうような言動は厳禁です。
もちろん人の話を聞いていれば「それは違う」と言いたくなったり「本当はこう思っているんじゃないの?」とその場で割って入りたくなるものですが、それは相手に不快感を与えるだけなので聞き上手になるためにはすべきことではありません。
「yes but」法の会話
聞き上手になる5つ目のテクニックは「『yes but』法の会話」をすることです。 このテクニックは相手の話の内容が明らかに間違っていたり、「こういう考え方もあるのではないか?」ということを相手に伝えたい時に使えるコミュニケーションテクニックで、聞き上手になり円滑にコミュニケーション出来るようになるために必須のスキルです。
自分の意見を主張したい時に「確かにそういう考え方もあるよね。でも〜」というように、まずは相手の発言内容を汲み取っていることを示す言葉でワンクッション置いてから「でも〜」という形で自分の意見を主張するようにするということです。
「なぜ?」を意識する
聞き上手になる6つ目のテクニックは「『なぜ?』を意識する」ことです。 聞き上手になるためにはただ相手の話を聞くだけではなくて、相手の話に興味を持ち必要な時には疑問を投げかけて話の内容を深掘りしていく必要があります。
聞き上手になるためには話の内容について「なぜそう思ったのか?」「なぜそうなったのか?」という原因を意識しながら聞きましょう。これは話の内容を深く理解することに繋がりますし、適切な質問は相手に気づきを与えることにも繋がり「聞き上手」という印象を持たれやすくなります。
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分ける
聞き上手になる7つ目のテクニックは「オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンを使い分ける」ことです。 オープンクエスチョンとは回答の幅が広く質問を受けた人が自由に回答出来る質問で、クローズドクエスチョンは質問の回答が「はい」か「いいえ」の二択になるか、質問者から与えた選択肢のどれかから答えさせるような質問方法です。
どちらも聞き上手になるために使い分けができると良いです。 相手が自分から意見を述べるのが苦手な人の場合はこの2つの質問方法を使うことで効率的に話の意図を汲み取りやすくなります。話の序盤ではオープンクエスチョンで自由に答えさせて、話したい内容に見当がついてきたらクローズドクエスチョンで相手の意図を特定していけます。
聞き上手になりたいあなたへおすすめの本
聞き上手になるためには仕事上人と会話するシーンが多い人が執筆した書籍が非常に役に立ちます。 こうした人達は仕事として人と円滑にコミュニケーションを図ることを意識しているので、「プロ」の視点から聞き上手になることの極意を学ぶことが出来ます。 ここではおすすめの2つの書籍をご紹介しますので、聞き上手になるためのさらなる情報が欲しい方はぜひ手にとって見て下さい。
『「聞き上手」さんの習慣』(佐藤智子)
この書籍はプロのインタビュアーの佐藤智子さんが執筆した聞き上手になるための心がけや具体的な方法を紹介した書籍です。 著者の佐藤智子さんはプロのインタビュアーということもあり仕事として人から話を聞くことを続けている方なので、普段から聞き上手になるための方法を考えている方です。 コミュニケーションを取る時に必要な心がけについても具体的なテクニックについても、どちらも充実した内容になっているので、まず1冊「聞き上手」になるための本が読みたいという方にはおすすめの1冊です。
『話し上手 聞き上手』(齋藤 孝)
こちらは教育学者の齋藤孝さんが執筆されたコミュニケーション方法に関する書籍です。 著者の齋藤孝さんは最近テレビにもよく出演されている方で、ニュース番組に出演したり情報番組のコメンテーターなどをされている方です。 この書籍では「再生方式」という人の話を聞いた後に自分で再生する意識で聞くことが紹介されていますが、この意識を持つことで相手の話を積極的に聞く姿勢が身につくので、おすすめです。
積極的な興味を持った上でテクニックを使いましょう
聞き上手という印象を持たれるためには相手の話を正しく理解していることと、素直に興味を持っていることが大前提です。 ただしそれだけでは相手に「興味を持っている」「ちゃんと話を聞いている」ということは伝わりません。 自分が頭の中で心がけていることが相手にも伝わるようにするためにもテクニックを身につけて、自分の興味が相手に伝わるように演出してみましょう。
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